第4回「ニート、家を買いたい」その1
どうも。ヒャルキィです。
先日、ポストを見てみると、
不動産屋から郵便が来ていた。
開封してみると、賃貸契約更新の通知。
「あー、更新の時期か」と思って、中を見てみると、
そこには契約書が。
しかも、よく見てみると、
保証人の自署と、印鑑証明がいる、
ということが分かった。
「え?賃貸って、
更新のたびにまたイチイチ保証人、
立てないといけないの?」
(まー、貸す方からしたら、金に関わる問題は一大事でしょうよ…)
だが、簡単に俺の保証人になってくれる人は、北海道に住んでいるのだ。
「これはめんどくさいなー。それに保証人になってくれる人が、
死んだらこの先どうすればいいんだろうか?」
「そうか、家を持てば、そのわずらわしさからは解消される」
「よし!家を買おう!」
こうして、一気に、
不動産購入熱が高まったのだった。
1.まずは、不動産情報をググる
とりあえず、500万以下の家をググってみたところ、何件か出てきた。
その中で、現状手持ちの金で無理せず買えて、
割合、家から近いところに狙いをつけた。
その結果、同一市内で、250万円の物件に目が行った。
≪基本的なデータ≫
間取り 2LDK
土地面積 30.32㎡
建物面積 37.82㎡
築年数 1979年
土地権利 所有権
階建 2階建
建物構造 木造
建蔽率 60%
容積率 200%
用途地域 1種低層住専
私道負担 有り
駐車場 無し
付属の、間取りを見てみると、
1階に、キッチンらしきもの、風呂、和式便所、と謎の空間。
2階に、6畳間と、4.5畳間の2部屋。
押入れ、クロゼット的なもの付き。
それにしても、この家、
洗濯機や冷蔵庫を置ける場所がないな、
ここに住んでいた人は、どういう生活をしていたのだろうか?
ということが気になった。
そして、付属の写真を見てみると、
謎の場所の正面(というか家の前面)がシャッターになっていたので、
ここは店として使われていたんだ、ということが分かった。
それにしても、どんな店だ?
飲食店やるにしても、水回りは脆弱そうだし、
(図面を見る限り、流しと、風呂にしか水栓はなさそうです)
他に考えられるとしたら、建設会社の人たちとかの待機場所?
生活感のない間取りからはそれぐらいしかわかりません。
2.実地検分
まー、いいか。見てみればわかる。
そして、翌日、チャリンコに乗り、遠征したのだった。
その物件は、坂の頂上から、下にくだる部分の中間地点に位置していた。
(プライバシー保護のためにモザイク処理しております…)
「これかー」と思い、近寄って、見てみることにした。
人が寄り付いた形跡もほとんどない。
築37年だけあって、
さすがに、ボロいなー、と思って見ていると、張り紙が…。
「放置物処分の事前通告」と書いてある。
これは明らかにタダならぬ予感…、
これって、けっこうヤバい物件なんじゃ…。
まー、こんな有り様だから当然だと思うが、
シャッターもバリバリ腐食してて、開くかどうかも定かじゃない…。
他の個所、ベランダの手すりとかも、
崩れるんじゃないかってぐらいにボロボロです…。
図面では側面に、 勝手口があるようだったが、
草ぼうぼうで入れそうにもないし、
こりゃ一体どういうこった?
入り口のシャッターのところも、もしかしたら、
謎のスペースに、車を入れられるかもしれない、と思っていたが、
20㎝ぐらいの段差があるので、
とてもそんなことはできる感じではない。
建物前面のセットバックもほとんどないし、
前面が1車線対向の道路になっているので、
家の前に車を止めておくこともできない。
これは明らかに店舗以外の使い道がない代物だ。
販売スペースを取れるなら、
店やってもいいかもしれない、
とも思っていたのだが…。
外観を見てから不動産屋に問い合わせ、
中を見てみよう、と思っていたが、そこまでするまでに、
こりゃダメだ、と、言う結論になった。
格安の家を買おうと思っているぐらいだから、当然、出費は抑えたい。
畳とか、床とかは自力で直そう、と思っていたが、
シャッターとかの補修はとても素人にできるもんじゃない。
これは、想定した以上に出費することは間違いないし、
その手をかける価値があるとも思えない。
土地権利が「所有権」になっていることにも魅力を感じていたが、
つーか、横の建物と繋がってるから、
潰して平地にすることもできない…。
所有権、と言っても、もしかしたら所有権分筆の登記をせずに、
「共有」のままである可能性もある。
「所有権移転の登記」も自分でやろうと思っていたが、
なんつー、塩漬け物件なんだ…。
たぶん、隣のくっついている家も同一の間取りだと思われるが、
一体、どういう生活をしているのか?
(ちなみにお隣はお店屋さんのようだが、
通常、休日は掻き入れ時にも拘らず閉まっていた)
こうして、淡い夢は儚く散ったのだった…。