第88回。インド行ってきた… 旅行記・感想③「まー、なんていうかアレだ。滅茶苦茶憧れて付き合った女は大抵そんな大したことはない…」
あ、どうも。ヒャルです。
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インド行ってきた… 旅行記・感想③
「まー、なんていうかアレだ。滅茶苦茶憧れて付き合った女は大抵大したことはない…」
前回、2日目を1回でまとめようと思っていたが、
まさかこんなに長くなるとは思わなかった…
≪前回からの続き…≫
やはり、運転手は追いかけてきた。
運「おいおいおい、どういうことだ?」
俺「俺は行く」
運「必ず戻って来いよ」
俺「………ああ、わかった」
といって、日本古来から伝わる
「指切りげんまん」までさせられる。
そもそも、俺の利益にならないことなのに、
そんな約束させられること自体理不尽以外何者でもない。
もうこの時点で、テンション激下がりである
≪MAYAからタージマへ≫
そして、タージマに行く道すがらでも営業の嵐…
たぶん、5人ぐらいだったかな?
とにかくその5人がことごとくしつこい。
その中の1人は、観光ガイドの資格を持っているらしく、
俺を雇えばタージマに入るための列をスキップできるぞ。
名刺を見せてきたが、そこに書いてあったのは、
1400ルピー、と、1700ルピー…
セットの内容がどう違うのかよくわからなかったが、
「1400ルピー………
必要ない。
俺は長い列に並ぶのが
大好きなんだよ!!URYYYYY!!」
というと、さすがに二の句が継げなかったらしい、
その男は諦めたようだった。
なんで、ニューデリーから、
アーグラーへの往復の切符代と同じような額を払って、
列をスキップせなあかんねん!?
≪入場料は外国人特別価格≫
外国人のタージマへの入場料は現地の人間の数倍である。
いや、タージマだけではない、
ほぼすべての観光施設が外国人料金を適用している。
日本でも、外国人の入場料を5万倍とか、
にしてやりゃあいいのによ!
いずれにしても、入場料と引き換えに、
ミネラルウォーター(お清め用?)と、
館内に入る時に土足厳禁なので、
靴を覆うためのカバーをもらった。
≪タージマの荷物チェック≫
荷物チェックの列に並んだが、
やはり、さっきのムスリムからの情報通り、
持ち込めるものには制限があるようだ。
・食べ物は絶対厳禁!
その時に気が付いた。
俺が日本から持参してきたフリスクが食べ物であることを…
そして、そのフリスクを、
荷物チェックのおっさんにあげる羽目になる…
さらに、45Lのゴミ袋を没収された。
≪遂にタージマとご対面≫
さすがに、インド随一の観光地というだけあって、
観光客の数がマジパねぇ…
館内に入るための長蛇の列が形成されていた。
「これ中に入るのにどんだけ時間かかるんだ?」と思うが、
その時に既に、16時を大きく回っていた。
タージマに近づいた時に気づいたんだが、
壁面に描いてあるお花の画が、
しょぼくてダサい…
この画があるおかげで、
建物の価値が5割減している…
この素朴な花を王妃が愛していたのかもしれない…
よくわからないけど…
調べる気もないが…
これだったら描かない方が良かったのでは?
ミュシャが描くような画だったら素晴らしかったのに…
もしくは彫刻でもいい、バラとかの…
心の底からがっかりだぜ、タージマハル…
結局、中に入れたのは日も沈みかけの、
17時半過ぎだった。
タージマの中は狭い部屋が幾つかで構成されたものだった。
石によって密閉されている空間なので、
湿気が抜けず蒸し暑い。
俺は、イスラームのモスクのようなものを想像していたが、
要するに「お墓」です…
たしかに、ガイドブックにも書いてあったのだが…
「撮影禁止」と書いてあるのに、
写真を撮りまくる人々…
俺も便乗して撮ってきたが…
タージマを出たときには18時を過ぎていて、
辺りは殆ど暗い。
おまけに蚊にも刺される始末…
マラリアにかかっているかもしれない…
そして、ここから億劫な問題が残っている。
奴らのところに戻らなければならないのだ。
それにしても、奴らは何故「交渉」という手段で、
金を取ろうとするのだろうか?
拉致って殺して身ぐるみ剥いだ方が話が早い、
と思えるのに奴らはそうしないのか?
インドは電灯がない所も多く、
ちょっと枝線にでも入れば人っ子一人いない。
人を1人や2人殺して穴に埋めたところで誰も気づかないだろう。
利権争いと汚職に塗れた国で警察もまともに捜査するようにも思えない…
奴らにとって、家畜を殺すのも人間を殺すのも、
大して変わらないとしか思えない…
「法律が厳しいのか?」とも思ったが、
実際のところ、奴らの常識の線はよくわからない。
(もっとも、日本人だって常識の線はわからない。
日本人だって大抵の奴は殺人という方法を取らないが、
そういう手段を取るやつも中にはいる…)
≪日暮れ≫
18時を過ぎ辺りは真っ暗。
初めて来た土地に加え、辺りは真っ暗で完全に迷ってしまう。
MAYAへの道がわからない…
よくよく考えてみると「食い物にされるのが分かっているのに、
馬鹿正直に戻るのもバカげてる」と思った俺は、
戻るという約束をぶっちぎることにした(笑
理屈としては「我が国の約束は我が国内に於いて通用する」というものである。
だが、まだ問題が残っている。
アーグラーの駅に戻らなければならない。
俺が乗る列車は21時15分発なので、
時間的にはまだまだ余裕がある。
ハッキリ言って俺は健脚なので8㎞ぐらいなら全然歩けるが、
如何せんどの道を進んでいけばいいのかがわからない…
バックパックを背負って歩く俺は明らかに旅行者丸出しである。
道すがらリキシャ―の勧誘が100%来る。
奴らの言うことはほぼ同じである。
「とにかく俺の車に乗れ」と。
俺は「アーグラーまでいくらだ?(How much go to Agra station?)」の
一本張りで応じる。
俺がその言葉しか発しないので、
その遣り取りにうんざりするのか、
ほとんどのリクシャーは行ってしまう。
だが、いずれは決断しなければならない。
必ず、どれかには乗らなければならないのだ。
そして、その時はやってきた。
今、思い出しても腹が立つ話…
この件りを記述するのもめんどくせーんだが、
まーしょーがないか…
≪更なる敵≫
そして、次のリキシャ―がやってきた。
ここでもまた、
お得意の「俺の車に乗って行け」である。
俺「アーグラーまでいくらだ?」
運「400ルピー」
俺「No、100ルピーにしろ」
俺「100」
…
…
…
まー、こんなやり取りがしばらく続く…
そして、リキシャ―の男もしびれを切らしたのか、
遂に「100でいいから乗っていけ」
俺「アーグラーの駅まで本当に100か?」
運「なんなら紙に書くか?」
とまで言ってくる。
「わかった」と言って、俺は車に乗り込んだ。
その瞬間に男は「200」と言った。
それと同時に、俺はリキシャ―から飛び降りた。
全く油断ならねぇヤツだ。
そして、リキシャ―は進んでいく。ブーン。
…
…
どうやら、男は俺がいないことに気が付いたらしい。
引き返してきた。
俺「100だ」
運「わかった。本当に100でいいから」
そして、俺は再び男のリキシャ―に乗り込んだ。
リキシャ―は単車を改造した3輪車である。
加速は鋭くかなり早く感じる。
…
…
そして、あっという間の時間で、
男は「駅に着いたぞ」と言う。
いくら、リキシャ―の加速が鋭くても、
8㎞も離れた駅にこんなに早く着くわけがない、
と思ったが、ふたを開けてみると
そこは、アーグラーフォート駅だった…(笑
ちゃんちゃん
[解説]
アーグラーフォート駅は、
タージマや、アーグラー城に近い国鉄の駅だが、
ニューデリーから南部に向かう線路の軌道上にある駅ではなく、
ニューデリー行きの列車は止まらない…
…
ってやってる場合か
俺「ここは俺は来たかった場所じゃない、
俺が行きたいのはアーグラーカントだ」
運「アーグラーは広いから、間違えちゃった。
てへぺろ(ニュアンス)」
でも、お客が悪いんだぜ。ちゃんと言わないから」
こいつふざけてんな。
100ルピーでタージマから目と鼻の先の駅に連れてきて、
平然としてやがる…
(注:100ルピー(日本円で170円前後)というのは、
リキシャ―で8㎞離れた駅に人を運ぶ料金の相場)
そもそも、この駅に連れて来るだけで400取ろうとしてたのか?
と思うと余計に腹が立ってくる…
たしかに、言うことに欠落があったのかもしれない、と思った俺は、
俺「…、ああ、わかった。確かに俺のミステイクだ
じゃあ、アーグラーカントに行くのはいくらだ?」
運「400」
俺「…」
幸いなことに鉄道駅だけあって、
客待ちのキャブは鈴なりだ。
そして、こいつにここまでの運賃100ルピーを握らせる。
俺「俺は違うキャブに乗る。消え失せろ」
運「おいおいおい。待ってくれ。300でいいから」
俺「100だ」
運「200」
…
…
またしても不毛な交渉合戦が始まる…
全くもーめんどくせーよー。
結局「今お前に渡した100と、
駅に着いた時に渡す100と合わせて200だ」
ということで交渉は決着する。
そして、再三、俺は奴の車に乗り込んだ。
「インド人ってー奴はなんでこんなにしつけーんだ」
と思いながらも、そのことが無性に面白くなってきた。
道中、奴は、
「腹減ってないか?お前は良い奴だから、
タンドリーチキンが旨い店を紹介してやる」
俺は、
「大丈夫だ。真っ直ぐ駅に向かってくれ」
と言ったが、朝か何も食ってなかったので、
正直かなりの空腹だった。
時間的余裕があったものの断った理由は、もちろん、
「奴の息のかかった店に連れていかれる可能性が高く、
そこで何が起こるか予測できないからだ」
そして、奴は
「ああ。わかった。真っ直ぐ駅に向かうぜ」
と言って、アーグラーカント駅に連れてきてくれた。
俺はこの時に、
コイツはふざけた野郎だったが、
なかなか愉快なやつだったかもしれない、
と思ったので、チップを乗せて120渡そうとした。
ところが、次の瞬間、奴の口から出た言葉は
「おいおい、200だろ?
あとチップもよこしな」
一瞬、唖然としたが、
コイツらは「人に気持ちよく金を払わせる」ってことを知らねえ…、と、
ここでまた沸々と怒りの炎が燃え上がってきたが、
「もうめんどくせえ!」
と思った俺は追加で220渡して駅に向かったのだった…
「日本人は交渉した後であっても、
最終的に高い値を払わせることができる」
という前例を作ってしまった、と思うと心残りである。
いずれにしても、今度のことで
「インド人の狡猾さに傷つけられたくなければ、
いかなる場合も感傷的になってはいけない」
という教訓を得た。
まー、人間は奴らのような強かさを持たないといけない、
ということなのかもしれない。
だが、翌日、俺は奴らの商売の実情を知ることになる…
≪再びアーグラーカント駅へ≫
とにかく、なんだかんだでやっとこ駅に着いた。
時刻は19時過ぎ。
俺が乗る列車の発車時刻の約2時間前である。
もしかしたら昼間の連中が待ち伏せしてるかもしれない、
とも思ったが、奴らもそれほどヒマじゃないらしい…
取り越し苦労だったようだ。
来た時は気づかなかったが、この駅も、何かやっぱりchaos
駅の中に、牛、サル、イヌ、ネズミ…、なんか色々いる。
動物のう〇こも仲良く4つ並んでいた…
とりあえず、朝から何も食っていなかったので、
駅構内に入っているKFCで飯を食うことにした。
コーラを缶のまま渡してくれたのが良かった。
飯を食い終わったがまだまだ時間がある。
だが、暢気に座ってるわけにもいかない。
なぜなら、冬にもかかわらず気温が高いために、
蚊が飛んでいるからだ。
じっとしていると絶対に刺される。
インドはどのシーズンでも蚊対策は必至。
インドは駅構内もフリーダムだ。
ホームからホームに渡るのに線路の上を通ったりする。
跨線橋があるにもかかわらず…
しかも、列車が駅に入線しているのに、
その前を横切ったりする。
日本では考えられない。
線路に人が降りるだけで、マスコミが騒いだりする事件になるのに…
駅に住んでいる犬もホームからホームを渡り歩いている。
さらには、線路に降りて小便をする(若い)女もいる…
トイレあるよ…、めんどくせーんだろうな…
≪ロータスペタ≫
そうそう。思い出した。
あまりにも時間がありすぎたのと、
ガイドブックに載っていた、ということで、
アーグラー名物「ロータスペタ」を買ったことを…
本来、ロータスじゃないのが有名らしかったのだが、
「まーいいか」で購入。
「ロータス」っていうと、レンコンのことだと思うが、
剥き身の果物的なもの?
を大量の砂糖でコーティングしたお菓子…
(レンコンのように固くはなかったから違うと思う)
とにかく、単純に甘い…
500gの物を買ったが消化するのが一苦労だった。
こいつは糖尿一直線だ。
≪フリースポット≫
駅構内に、フリーの水が出るスポットがあった。
この水大丈夫なのか?と思うがどう見ても怪しい…
奴らは沸かさないで生水を飲む。
さすがのチャイニーズでも生水は飲まないのに、
生水をグビグビいっている…
奴らはさすがだ…
だが、あとでホテルにいたインド大好きおじさんに聞いた所によると、
インドでは腹痛の薬などが10円程度で買えるらしく、
しかも、その効き目はかなり強いらしい。
つまり、このことはいかにインド人でも腹痛に苦しんでいる奴はたくさんいる、
ということの証左でもある。
≪ようやく列車がやってきた≫
「どーせ、遅れるんだろ?」と思っていたが、
やっぱり、列車が到着したのは、21時30分過ぎ。
だが、遅れると分かっていると不思議なことに、
「思ったより早いじゃん」と思えてくる。
車内に入ると、
新幹線的な通路を隔てて3席と2席の普通車両だった。
そのうちに、飯が回ってきた。
さっき駅で食ったのに、また飯を出すのかよ?
そしてまた、例によってカレー…
「ビーフカレー骨ばっか」と「豆のカレー」
昨日、機内で食ったのとほぼ同じヤツだよ…
スパイスの味が勝ちすぎてて、旨いんだか何だかわからないヤツ…
インドには
この味のカレーしかないのだろうか?
「なんだこれは?」
カンパ箱のようなものが回ってきた。
なんか「60ルピー」と言っている…
「え?今の飯で金取んの?
飯代って切符代に入ってんじゃないの?」
「ほえー?」と思いながらも、
「しかたないかー」と思いつつも払ったが、
本人に意志確認せずに物食わせて金ふんだくるなんて、
こんなの押し貸しじゃねーか!
当初の懸念通り、ニューデリーに戻ってきたのは、0時を過ぎていた。
その後、メインバザールを通って宿に戻るが、
この時間でもリキシャ―はいた。
終わり