ゲシュタルトのビボログ

日々アホなことを繰り返しているので備忘録つけることにした…

第72回「君の膵臓をたべたい」読んだ… 感想 久々におもしろい小説に当たったー

あ、どうも。ヒャルです。

 

 

 

※この記事の無断転載等を禁止します

 

 

 

「君の膵臓をたべたい」

(住野よる著/2015年/双葉社)読んだ…

 

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※この記事にはネタバレが含まれます。

未読の人は速やかに退避してください。

 

 

 

≪ざっくりとしたあらすじ≫

ある日偶然「共病文庫」と書かれた本を拾った、地味な主人公。

その本はクラス内でも快活で人気がある山内桜良のモノだった。

本の記述により主人公は、彼女は膵臓の病気で余命幾ばくもないことを知り、

そのことをきっかけに本の持ち主である彼女は、

主人公を自分の秘密を守る共犯関係に巻き込んでいく…

 

その後、彼女が主人公に関わるようになったことで、

主人公は今まで接点が無かったクラスメイトから、

やっかみや嫌がらせを受けるようになるが、

徐々に光と影のように対照的な2人の距離は近づいていく。

え?どうなんの?死ぬの?死なないの?

というような青春ラブコメ

 

 

 

≪感想≫

大分前から映画とか何かやってましたよねー。

本書を読むにあたって前情報はほとんどなし。

情報と言えば映画の予告編とかで、

主人公とヒロインのラブコメなんだろうなー 、ぐらいな感じ?

 

基本、小説はあまり読まない方なので、 

あんまり期待しないで読み始める。

 

数ページ読んで思ったことは、

プロの作家にこう言っちゃあ失礼に当たるのかもしれないが文章が上手い。

デビュー作とは思えないぐらいの筆致。

 

主要キャラである2人は、

好きなのか、好きじゃないのかがよくわからないような、

かなり微妙な線で展開していく。

 

展開的には、フツ―に好きなんだろうな、とは思うし、

これで好きじゃなかったらこの小説なんやねん?

という話でもあるんだが…

好きでなかったら2人で遠方へ旅行とか行かないだろ…

もっとも、この旅行は主人公が、

彼女の現状を知る重要な伏線を果たしているのだが…

 

 

一番、感動したポイントは、

ヒロインのお母さんが発する

 

「君、だったのね……」 

 

と、いうセリフからの記述。

 

電車の中で手すりに掴まりながら読んでたから、

危うく前の席に座っているおじさんのスマホの上に、

よだれ…、じゃなくて涙が落ちるところだったので、

慌てて上を向いて読むのを中断するぐらいヤバかった。

そして、これは家に帰ってから読んだ方が無難、

と思いそのまま本を閉じたのだった…

 

ここのパートは何度読んでも来る。

「プラスの間接評価」というのは、

心理学的にもテンション上がるのが実証されている。

それを利用した上手い構成。

こんな手法があるとは…

まー、よくあるっちゃあ、あるか…

 

そして、残された遺書ともいえる「共病文庫」

死んでから彼女の心情が明らかになるなんて…、震えるねー。

こりゃあ、主人公も嗚咽の号泣するわ。

 

そこから怒濤の勢いで畳みかけてくるのかなー、と思ったが、

そうでもなかったところが残念と言えば残念なんだけど、

暗さを残したまま終わるわけではないので、

そこら辺はプラスポイントなんじゃないかなー。

 

久しぶりにおもしろい小説を読んだ気がする。

と、言ってもベストセラーになってるんだから、

「おもしろい」というのが当然ちゃあ当然なんだろうとは思うが…

だが、俺にとっては「ベストセラー」でも「おもしろくない」、

っていうのもかなりの確率であるから、やっぱり良い作品なんだろう…

 

 

 

終わり